エチレン
どんなもの?
エチレン(ethylene:H2C=CH2, IUPAC命名法ではエテン (ethene) )二重結合を持つ有機化合物。つまり一番単純なアルケンといえる。
かすかに甘い臭気を有する無色の気体で、強力な酸化剤と反応しやすく、また引火しやすいため取り扱いには注意が必要。
チーグラー・ナッタ触媒で重合するとポリエチレンになる。反応性が高く、様々な化合物の原料として用いられている。例えばアセチレンはエチレンをハロゲンと反応させて1,2-ジハロエタンを作り、水酸化カリウムでハロエテン、水素化アルミニウムリチウムで還元して作られる。エタノールを高温で脱水することで作ることができる。
工業製品としてエチレンの2004年度日本国内生産量は7,569,714t、工業消費量は2,988,470tである。
植物におけるエチレン
植物においてはメチオニン→S-アデノシルメチオニン(SAM)→1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)→エチレンという経路を通して合成される。この過程では、SAMからACCへの合成にACC合成酵素が、ACCからエチレンの合成にACC酸化酵素が関与する。
植物ホルモンの1つでもある。一般的には生長を阻害し、花芽形成も抑制する。例えば、ジャガイモの場合、エチレンにより萌芽が抑制される性質がある。一方、パイナップルなど一部の植物では、エチレンにより花芽形成が促進される場合もある。
水が過剰に与えられたとき、エチレンにより根の細胞の一部にアポトーシスが誘発され、シュノーケルと同様の機能を持つエアチューブが形成される。
また、エチレンは果実の「色づき」「軟化」といった成熟にも関与している。これはエチレンがセルラーゼに関与し、細胞膜組織の破壊が誘導されるためと考えられている。また、バナナなどのクライマクテリック型の果実では一般に成熟直後に生成量のピークを示し、それ以後は徐々に逓減する。リンゴはエチレンガスを発生させるので、バナナの側で保管すると、バナナの成熟が早く進む。
さらに、エチレンは病原菌(カビや細菌など)の感染や組織が傷害を受けた時に生成され、これらに対する防御応答を誘導することが知られている。例えば、エチレンにより抗菌作用を持つタンパク質が誘導され、病原菌の感染が広がるのを防ぐといった防御機構が考えられている。また、エチレンは気体であるため、病害を受けた植物に隣接する他の植物に対しても作用し、防御応答を誘導すると考えられている。
(以上、ウィキペディアより引用)
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